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【一陸技】精選300選_問037-サイリスタ

サイリスタ

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  会社の同僚たちと一陸技の勉強会をしています。
  勉強会では「合格精選300題 一陸技問題集」を使っています。
  本ブログでは勉強会で解いた問題の解説を掲載していきます。

合格精選300題 第一級陸上無線技術士試験問題集合格精選300題 第一級陸上無線技術士試験問題集
(1998/10)
吉川 忠久

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問037
サイリスタに関する記述として、誤っているものを下の番号から選べ。
1.ターンオフ時間は、スイッチング時間を決める重要な要素であり、ターンオフ時間により一般用と高速用とに分けることができる。
2.サイリスタの電流容量は、通常、商用周波数の制限半波電流のピーク値で示され、耐電圧は、印加し得る電圧の平均値で規定されている。
3.pnpnの4層以上の接合をもつすべての半導体スイッチ素子をサイリスタという。
4.アノードにブレークオーバ電圧以下の正の電荷が印加され、アノード・カソード間が高インピーダンス特性を示している状態をオフ状態という。
5.オン状態からオフ状態にするには、アノード電流を保持電流以下の値に一定時間以上保つ必要がある。


サイリスタに関する問題です。
サイリスタではいくつかのポイントをおさえておけば大丈夫です。
ポイントは、

 1.アノード,カソード,ゲートの3つの電極を持ったpnpn構造のダイオードである。
 2.アノードに順電圧をかけるとある電圧(ブレークオーバ電圧)で導通状態(オン状態)となる。
 3.ゲートにかける電圧によりブレークオーバ電圧を制御できる。
 4.いったん導通状態となったら、保持電流以下に電流を抑えないと阻止状態(オフ状態)とならない。

以下では、
簡単にサイリスタの動作原理について解説します。


サイリスタ

阻止状態から導通状態に、またはその逆に切り換えることのできる
3つもしくはそれ以上の接合からなるニ安定半導体素子をサイリスタといいます。

 サイリスタは下図のようなpnpnの4層構造をなしており、
 これをp1n1p2とn1p2n2との複合トランジスタに
 分けて考えると理解しやすいと思います。

  
   サイリスタ

 つまり、
 接合J1はp1n1p2トランジスタのエミッタ接合、
 接合J2はn2p2n1トランジスタのエミッタ接合、
 接合J3はn2p2n1トランジスタのコレクタ接合の働きをする
 2つのトランジスタの組合せと考えます。

 ここで、
 p1n1p2トランジスタの電流増幅率をα1
 n2p2n1トランジスタの電流増幅率をα2とし、

 pnpnダイオードに順電圧(p1側に正の電圧)をかけたとすると、
 ダイオードを流れる全電流Iのうち、
 正孔によって流れる電流はα1I、
 電子によって流れる電流はα2Iとなり、
 逆バイアスされたJ2の飽和電流(問033)をIsとすれば、

  サイリスタに流れる電流1

 となり、これをIの式に変化すると、

  サイリスタに流れる電流2


 となる電流がpnpnダイオードに流れることがわかります。
 ただし、この議論が成立するのは(α1+α2)<1の場合です。


ここで、サイリスタのV-I特性を下図に示します。

  サイリスタの特性


pnpnダイオードに順電圧を加えると、
はじめは、接合J2の逆電流(オフ電流)が流れます。
この小さなオフ電流は、
電圧の増加ともにわずかに増えていくだけです。

ところが、電圧をさらに大きくしていくと、
なだれ倍増により電流が一気に増大していきます。


 電流の増加により電流増幅度が大きくなり、
 ついにはα1+α2=1となります。
 (シリコントランジスタの電流増幅度は、
 電流依存性が高く、電流が増加すると大きくなります)
 上記のIの式より、α1+α2=1となると
 電流が急増することがわかります。


このときの遮断状態から導通状態へ移行する電圧を
ブレークオーバ電圧といいます。

ブレークオーバ後は、
p1からp2に多量の正孔が、
n2からn1に多量の電子が流れ込んで、
それぞれp2とn1に蓄積されます。

すると接合J2が実効的に順バイアスされ、
J1,J2,J3のすべての接合が順バイアス状態となります。
この結果、両端子間の電圧は急激に低下し、オン領域に入り、
オン電圧VTは1V前後となります。


ここまでがサイリスタの基本的な動作原理ですが、
pnpnダイオードのp2部に下図のようにゲート電極を付けることで、
ゲート電流IGによりブレークオーバ電圧を制御できるようになります。


 ゲート付きサイリスタ


「サイリスタ」と言えば、一般的にこのゲート付きサイリスタのことを指します。

ゲート電流を流すと、低い順電圧で導通状態に入ることができるようになります。
デート電流を大きくするほど、ブレークオーバ電圧は低くなります。



 ゲートに順電圧を加えると、
 n2p2n1トランジスタのエミッタ接合の障壁が低くなり、
 トランジスタとしての電流が増加します。
 この電流の増加により、電流増幅度が大きくなり、
 α1+α2=1となります。

ここで、ゲート付きサイリスタの特性を下図に示します。


  ゲート付きサイリスタの特性


いったん導通したサイリスタは、ゲート信号を切っても
保持電流IH以上であれば、導通状態を保持します。

これを阻止状態に戻すには、
陽極電流を保持電流IH以下に減少させなければなりません。
ただし、交流の場合では、
ゲート信号を切るだけで、負サイクルのときに自動的にターンオフできます。

ゲート電流を加えてからオフ状態からオン状態に
なるまでの時間をターンオン時間といい、
電流を保持電流以下にしオン状態からオフ状態に
なるまでの時間をターンオフ時間といいます。


問題解説

上述のサイリスタの解説により、
選択肢3,4,5が正しい記述であることがわかります。

選択肢1も正しい記述であり、
サイリスタのターンオフ時間を短くするためには、
あらかじめ充電しておいたコンデンサをサイリスタと並列に接続して、
陽極を負電位にする方法などがあります。

誤った選択肢は5であり、
正しくは、電流容量は平均値で示され、
耐電圧はピーク値で示されます。
こちらは良く考えれば当たり前のことですね^^;


参考文献

半導体素子半導体素子 - 標準電気工学講座 (20)
(1980/12)
石田 哲朗清水 東

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