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【一陸技】精選300題_問034-負性抵抗素子

負性抵抗素子

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  会社の同僚たちと一陸技の勉強会をしています。
  勉強会では「合格精選300題 一陸技問題集」を使っています。
  本ブログでは勉強会で解いた問題の解説を掲載していきます。

合格精選300題 第一級陸上無線技術士試験問題集合格精選300題 第一級陸上無線技術士試験問題集
(1998/10)
吉川 忠久

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問34
次の半導体素子の通常、マイクロ波帯の発振に使用されないものはどれか。
1.トンネルダイオード
2.バラクタダイオード
3.GaAsFET
4.インパットダイオード
5.ガンダイオード


負性抵抗素子

マイクロ波の発振に使用される半導体素子は、
負性抵抗領域を持っている半導体素子となります。

負性抵抗とは、
「かかる電圧を高くしていくと、流れる電流が減少していく」というものです。
一般的な抵抗とは逆の振る舞いですね。
半導体素子の中にはこのような奇妙な振る舞いをするものがあります。

上記の選択肢の中では、

 ・トンネルダイオード
 ・GaAsFET
 ・インパットダイオード
 ・ガンダイオード


の4つが負性抵抗を持つ半導体素子となります。

(ちなみに、温度が上がると抵抗値が下がる「負の温度係数」と
負性抵抗は全くの別物です。混合しないように注意です。)


ここで、負性抵抗素子が
どのようにマイクロ波の発振に使われるのか、
簡単に解説しておきます。

まず、
発振とは、例えばある閉回路に信号を入れたとき、
減衰することなく信号が流れ続ける現象をいいます。

通常の閉回路へ信号を投入した場合、
回路内の抵抗分で信号は減衰し、いずれ消滅します。

ここで、閉回路に負性抵抗素子を入れると、
回路上の抵抗成分が打ち消されたように見え、
信号は減衰することなく流れ続けることができます。

つまり、発振するということです。

これにLC共振回路などを接続することで、
所望の周波数で発振する発振回路を構成することができます。


それでは、それぞれの負性抵抗素子の解説に移ります。


トンネルダイオード

トンネル効果は問033で解説しました。
トンネルダイオードとはそのトンネル効果を起きやすしたダイオードです。

半導体中の不純物濃度を極端に高くすることで、
少しの順電圧をかけただけで、トンネル効果による電流が流れ出します。

(下図の点a

しかし、徐々に電圧を上げていくと、
トンネル効果による電流は減少していきます。

トンネル効果による電流が減少していくこの領域が負性抵抗の領域です。
(下図の点b)

さらに電圧を上げていくと、
PN接合本来の順電圧による電流が増加していきます。

(下図の点c


   トンネルダイオード


トンネルダイオードは、発見者の江崎玲於奈博士の名をとって、
エサキダイオードとも呼ばれます。


インパットダイオード

インパットとは「Impact Avaranche Transit Time」の略語で、
インパットダイオードとは、その名にある通り、
問033で解説したアバランシェ効果(なだれ現象)を利用したダイオードです。

ダイオードに逆電圧を加えて、逆電圧が降伏電圧に達するとなだれ現象が生じます。
このとき、そこにさらに降伏電圧近傍の交流電圧を重ねると、
下図のように、なだれ現象の成長・停止が行われます。
つまり、なだれ現象による降伏電流が波になるということです。

このとき、なだれ現象による降伏電流は、
印加電圧に対して、なだれ現象による降伏電流はπ/2だけ遅れた波となります。
またこの降伏電流は、空乏層を走行するので、そこでさらに位相が遅れます。


インパットダイオード

よって、空乏層の走行による位相の遅れが
π/2になる周波数においては、外部に流れ出る電流は、
加えられた交流電圧に対してトータルでπ遅れる(逆位相になる)ので
負性抵抗を得ることができます。


ガンダイオード

これまで解説した負性抵抗素子は
pn接合による現象を利用したものでした。

これに対して、均一なn型GaAs(ガリウムひ素)に高電界を加えると
マイクロ波の発振が生じることが知られています。

この現象をガン効果といい、
それを利用した素子をガンダイオードと呼びます。

(このような均一な半導体をバルク半導体といい、
バルク半導体に見られる電子効果をバルク効果という。)


n型GaAsには、下図のように、
エネルギー差が0.36eVある2つの伝導帯が存在します。
低いレベルの伝導帯の電子は有効質量が小さく、移動度は大きくなります。
高いレベルの伝導帯の電子は有効質量が大きく、移動度は小さくなります。

(移動度については問032参照)


  ガンダイオード


通常、電子は低いレベルの伝導帯で熱運動しており、
ドリフト速度は0となっています。

ここに電界はかけるとドリフト速度は増加し、
電界が約3[kV/cm]のときドリフト速度は最大となります。

電界が3[kV/cm]以上になると、
電子は高いレベルの伝導帯に移動していき、
ドリフト速度は減少していくことになります。

電界は電圧に相当し、ドリフト速度は電流に相当するので、
この現象は負性抵抗を示していることがわかります。

さらに電界を強くしていくと、
電子は高いレベルの伝導帯に移りきり、
ドリフト速度は再び上昇していきます。

ちなみにガンダイオードのガンとは、
ガン効果を発見したJ.B.GUNNさんの名かきています。


バラクタダイオード

本問題の正解は、2のバラクタダイオードです。
バラクタとは「Variable Reactor」の略語であり、
可変リアクタンス素子を意味しています。
リアクタンスでも、特に静電容量値を制御するため、
バリキャップダイオード(Variable Capacitor Diode:可変容量ダイオード)
とも呼ばれます。

その名の通り容量値を可変するためのダイオードであり、
マイクロ波の発振を目的とするものではありません。

ここで、バラクタダイオードの動作原理を簡単に解説しておきます。
pn接合ダイオードに逆電圧をかけると接合部に空乏層が生じ、
この空乏層はコンデンサと同じ働きをします。(問033参照)

空乏層の幅は逆電圧の強さによって変化します。
逆電圧を強くすると空乏層が広がっていくので、
次の式より、容量値は小さくなることがわかります。

 C=εS/d

逆電圧によって空乏層の幅を制御し、
静電容量値を制御できるものがバラクタダイオードです。


参考文献

半導体素子半導体素子 - 標準電気工学講座 (20)
(1980/12)
石田 哲朗清水 東

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