HOME>スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HOME> 一陸技問題集の解説

【一陸技】精選300題_問033-逆電圧降伏

逆電圧降伏

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  会社の同僚たちと一陸技の勉強会をしています。
  勉強会では「合格精選300題 一陸技問題集」を使っています。
  本ブログでは勉強会で解いた問題の解説を掲載していきます。

合格精選300題 第一級陸上無線技術士試験問題集合格精選300題 第一級陸上無線技術士試験問題集
(1998/10)
吉川 忠久

Amazonで詳細を見る

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回の問題はPN接合ダイオードに関する問題です。
設問では、PN接合ダイオードにおける、
逆電圧降伏と光電効果に言及していますが、
今回は主に、逆電圧降伏について解説していきます。


問33
ダイオードに関する記述として正しいものを下の番号から選べ
1.逆方向電圧を高めていくと、逆方向電流がきわめて小さくなるpn接合は、空乏層の幅が広くなり、コンデンサとしての働きをする。
2.縮退した高不純物濃度の半導体で形成したpn接合は、空乏層の幅が広くなり、トンネル効果に基づく負性抵抗が得られる。
3.逆方向電圧を高めていくと起きるpn接合の降伏現象は、バルク効果に基づくものと、熱的に発生した電子と正孔が強電界により加速され、なだれ現象的に電流が急増するものとの2種類ある。
4.pn接合に逆方向電圧を加えて接合部に光を照射すると、電子や正孔が発生して、光量に比例した順方向電流が流れる。
5.逆方向電圧を加えたpn接合に少数キャリアを注入すると電子と正孔は再結合して光を放出する。


PN接合ダイオード

まずはPN接合ダイオードについて簡単に解説しておきます。
下図のようにPN接合ダイオードとは「P型半導体」「N型半導体」を接合したダイオードです。

P型半導体とは「正孔(ホール)」多数キャリアに持つ半導体です。
N型半導体とは「電子」多数キャリアに持つ半導体です。

接合面では、正孔と電子の結合が起こるので、
正孔も電子も存在しない領域ができます。
この領域を「空乏層」といいます。

  PN接合ダイオード

PN接合ダイオードでは、P側プラスの電圧(順電圧)をかけることによって、
下図のように、P型半導体中正孔N型半導体側へ移動し、
N型半導体中電子P型半導体中へ移動することで電流が流れます。

  順電圧

一方、P側マイナスの電圧(逆電圧)をかけることによって、
下図のように、P型半導体中正孔が電位の低い方へ、
N型半導体電子が電位の高い方へ移動するため電流は流れません。
ただし、実際にはP型にも電子少数キャリアとして存在し、
同様にN型にも正孔少数キャリアとして存在するので微小な電流は流れます。
この逆バイアスによる微小な電流を飽和電流という。

  逆電圧


このとき、逆電圧により空乏層は広くなり、
また、この空乏層は電極に電荷が溜っているように見えるので、
コンデンサの働きをします。

よって、選択肢1は正しい文となります。


逆電圧降伏

PN接合ダイオードでは、
逆電圧をかけても少数キャリアによる微小な電流しか流れないと上述しました。
ところが、逆電圧をどんどん増加させていくと、
ある限界電圧以上で急激に電流が流れるようになります。

この現象を逆電圧降伏といい、
逆電圧降伏は「ツェナー効果」によるものと
「なだれ現象」によるものの2つに分けることができます。

では、なぜこのような逆電圧降伏が起こるのでしょうか?
「ツェナー効果」と「なだれ現象」に分けて解説します。


ツェナー効果

逆電圧を増加させていくと、
下図のバンド図のように、接合部の逆電界が高くなり、
空乏層の幅が狭くなってきます。

そうすると、N型半導体の伝導帯にある電子が禁制帯を通り抜けて
P型半導体の価電子帯へ移動しやすくなります。
このような現象を「トンネル効果」といいます。

そして、このトンネル効果によって、
電流が増加していく現象を「ツェナー効果」といいます。

  ツェナー効果


   伝導帯:電子が自由に移動できる領域(電位が高い)
   禁制帯:電子も正孔もない領域
   価電子帯:電子が固定されている領域(電位が低い)


なだれ現象(アバランシェ効果)

逆電圧を増加させていくと、
空乏層にかかる電界がどんどん強くなっていきます。

そうすると、下図のように、
p型半導体中の電子が十分に加速され、原子と衝突して新たな電子が生じます。
このような現象が繰り返されて、
なだれ的に電流が増大していくことを「なだれ現象」といいます。
「アバランシェ効果」とも言いますが、avalancheとは「なだれ」のことです。

  なだれ効果


ツェナー効果となだれ現象の関係

ツェナー効果となだれ現象は上述のように異なる現象のものです。
実際の逆電圧降伏では、2つの現象のうち、
降伏電圧の低い方の現象が起きます。

それぞれの現象が起こる降伏電圧は、
半導体の不純物の濃度温度により決まってきます。

不純物の濃度が高いとなだれ現象が起きやすく、
不純物の濃度が低いとツェナー効果が起きやすくなります。

また、
温度が高くなるとトンネル確率が上昇するのでツェナー効果が起きやすくなり、
温度が低くなるとキャリアの移動度が上昇するのでなだれ現象が起きやすくなる。


以上より、
トンネル効果は空乏層が狭くなって起こるので、選択肢2は誤り、
降伏現象はツェナー効果となだれ現象の2つに分けられるので、選択肢3は誤りとなります。

バルク効果や、選択肢4と5の光電効果については、
別の問題で解説します。


参考文献

半導体素子半導体素子 - 標準電気工学講座 (20)
(1980/12)
石田 哲朗清水 東

Amazonで詳細を見る



↓精選300題、他の問題の解説へ
【一陸技】関連記事リンク集



にほんブログ村 資格ブログへ応援クリックよろしくお願いします!

この記事のトラックバックURL

http://rhincodon.blog77.fc2.com/tb.php/81-61dcd778

コメント

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

  Template Designed by めもらんだむ RSS

special thanks: Sky Ruins, web*citronDW99 : aqua_3cpl Customized Version】


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。