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【一陸技】精選300題_問032-移動度と導電率

移動度とドリフト速度

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  会社の同僚たちと一陸技の勉強会をしています。
  勉強会では「合格精選300題 一陸技問題集」を使っています。
  本ブログでは勉強会で解いた問題の解説を掲載していきます。

合格精選300題 第一級陸上無線技術士試験問題集合格精選300題 第一級陸上無線技術士試験問題集
(1998/10)
吉川 忠久

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今回の問題は、
半導体中のキャリアの「移動度」から「導電率」を求める問題です。
「移動度」とは「ドリフト速度」と密接な関係にあるパラメータです。
この「移動度」や「ドリフト速度」を理解していないと本問は難解でしょう。

ドリフトとは「電界による帯電粒子の移動」のことを意味しています。
つまり、「ドリフト速度」とは半導体に電界をかけたときのキャリアの移動速度を表します。
詳しくは下記で説明します。

それでは、問題を読んでみましょう。


問32
シリコンの真性半導体の電子及び正孔の移動度がそれぞれ0.15[m^2/Vs]および0.05[m^2/Vs]で密度がいずれも5×10^16[/m^3]であるとき、このシリコンの導電率σ[S/m]の値を求めよ。ただし、電子の電荷は1.6×10^(-19)[C]とする。


導電率

導電率とは電気の流れやすさを表したものです。

電子と正孔の密度をn、
電子の移動度をμn,正孔の移動度をμp
電子の電荷をeとすると、導電率σは次のようになります。

 σ = enμn + enμp

この式をおぼえていれば本問題はすぐに解けます。
この式に問題文の値を代入するだけです。

この式をおぼえていなかったら導出するしかありません。
では、導出の方法を解説しましょう。

そのためにはまず「移動度」と「ドリフト速度」をしっかり理解するのが良いです。


移動とドリフト速度

半導体中の電子は、普段は熱運動によりあちらこちらに移動しています。
しかしながら、この熱運動はランダムな運動なので、
平均的に見るとその場に留まり、移動していないように見えます。

それに対して、電界のかけられた半導体内では、
電子は電界より力を受けて電界と逆向きに移動していくことになります。
このとき、電子は電界からの力Fを受けているので、

 F=ma

の関係より、電子は加速度aでどんどん加速していくかのように思われます。
しかし実際には、下図のように、
自由電子は原子などに衝突しながら移動するので、
ある平均速度で移動していくように見えます


 ドリフト速度成分

このときの平均速度を「ドリフト速度」と呼びます。
ドリフト速度VDは電界強度Eに比例し、
比例定数をμとすると次のように表せます。

 VD = μE

この比例定数μが「移動度」で、
「移動度」は半導体の材料によって決まってくるパラメータです。


ドリフト電流

次にドリフト電流を求めます。
ドリフト電流とはドリフトによりキャリアが移動することで流れる電流のことです。

電界がかけられた半導体中では、
電子は電界と逆向きに速度VDnでドリフトされ、
また正孔は電界の向きに速度VDpでドリフトされ、
ドリフト電流が流れます。

ここで電流密度が「単位時間あたりに単位面積を通過する電荷量」と定義されるので、
電子による電流密度Jnと、正孔による電流密度Jpは次のように表せます。

 Jn = enVDn
 Jp = enVDp

ここで、ドリフト速度は移動度を比例定数として電界強度に比例するので、

 VDn = μnE
 VDp = μpE

となりこれを電流密度の式に代入すると、次のようになります。

 Jn = enμnE
 Jp = enμpE

JnとJpの和が全電流密度Jとなるので、

 J = en(μn+μp)E

となります。

また、電流密度Jは、
伝導率σを比例定数とし電界Eに比例するため、

 J = σE

と表せます。
これら2つの電流密度の式と比較すると、次式が導けます。

 σ = en(μn+μp

これが導きたかった、導電率と移動度の関係式です。

この式より、キャリアの密度と移動度が大きいほど
導電率が高くなる(電流が流れやすくなる)
ことがわかります。


問題の解答は、この式に代入していくだけなので、
以降は問題集をご参照ください☆


参考文献

半導体素子半導体素子 - 標準電気工学講座 (20)
(1980/12)
石田 哲朗清水 東

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コメント

ありがとうございます
陸上無線技士興味がわいてきました
Re: タイトルなし
私のブログで興味を持っていただけたのなら
嬉しい限りです!! (^◇^)

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