HOME>スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
HOME>自己紹介

携帯電話のアンテナ設計について紹介します

私は携帯電話のアンテナの開発をしているのですが、そのことを人に話すと、「最近の携帯電話ってアンテナ付いてるの?」とか「携帯電話にアンテナなんて要るの?」なんて言われることがあります^^;

確かに、最近の携帯電話はアンテナがほとんどが内蔵されていて、アンテナに気を留めることなんて無いとは思いますが、それではあまりにも悲しい。

そこで!
モバイルアンテナデザイナーである私が、携帯電話のアンテナの設計ってなかなか奥が深くて面白いんだぞ、ということをちょっと紹介したいと思います。実は、携帯電話のアンテナ設計ってけっこう珍しい職種なので、ご一読いただければ一興かと思いますよ^^


「携帯電話にアンテナなんて付いてるの?」なんて言われますが、実際に、携帯電話の中にはたくさんのアンテナが内蔵されています。例えば、いわゆるメインアンテナ(セルラー用:電話&データ通信),ワンセグ用アンテナ,GPS用アンテナ,Bluetooth/W-LAN用アンテナ,おサイフケータイに使うFeliCa用のアンテナ等です。また、セルラー通信では複数の周波数帯が用いられるため、メインアンテナは2本以上が必要となる場合が多くあります。なので、1つの携帯電話に6本以上のアンテナが載っているのはザラなんです。あんな小さな端末なのに、6本以上って、多いでしょ?^^;

アンテナ設計者にとって厄介なのは、小さな携帯電話上では、これらのアンテナはとても近接しがちで、お互いに影響を及ぼし合うということです。影響を及ぼし合うということは、1つのアンテナの設計を変えると他のアンテナの特性も変わってしまうため、全部のアンテナを設計し直さなくてはならない可能性が出てくるということです。また、アンテナの特性は周りに配置される部品や携帯電話の機構構造(折畳み式,スライダー,ストレート型 等)に大きく依存するため、1機種ごとのカスタマイズでアンテナを設計する必要があります(どっかから持ってきたアンテナを、ホイっとくっ付ければ良いという訳ではないんですね)。さらに、実際に携帯電話を使用するときに、アンテナが人体から受ける影響を考慮することに加え、コスト,強度,サイズ等を鑑みて各アンテナごとにその配置,構造,方式などの多くの事項を決定していくことになります。

つまり、携帯電話のアンテナの開発とはさながら、どのようにアンテナをデザインするかの自由演技のようになっており、培った専門知識を活かし自由に表現することができる魅力的な仕事なんです。あらゆる部品がパッケージ化されているエレクトロニクス業界においてはとても珍しい職種と言えます。


このように職人的な技術が求められるため、携帯電話のアンテナをゼロから設計できる技術者は国内には100人程度しかいないと言われています。そもそもアンテナの研究・開発には膨大な資金や設備が必要なため、研究テーマに挙げている大学も少なく、開発体制が整っている企業が少ないということも、携帯電話のアンテナ設計者が少ない要因になっています。

ところが、電波を受信したり送信したりするためには必ずアンテナが必要なため、きたるユビキタス時代ではアンテナの技術がより重要度を増してきます。またモバイル端末業界においても、通信方式が第3世代(3G)から、LTEや第4世代に移ることで、アンテナシステムが通信方式のキーになる部分を担うようになってきます。これからアンテナ設計者の人材が不足してくるのではないでしょうかねー。


どうでしょう?携帯電話のアンテナにちょっとは興味を持っていただけましたか?アンテナって地味そうだけど、勉強しておいて損はなさそうな分野でしょ^^

この記事のトラックバックURL

http://rhincodon.blog77.fc2.com/tb.php/342-c7d755e9

コメント

おもしろいですね!

アンテナが内臓されており、影響を及ぼしあうため新しいアンテナを必要とするのは知識として持っていましたが設計できる人がそんなに少ないとは思いませんでした・・・

私ももう少し真面目に通信関係と付き合っていこうと思います。
Re: タイトルなし
Aliceさん、コメント有難うございます!

そうなんですよー、アンテナ技術者って本当に少ないんですよ。
それがモバイル系のアンテナ技術者となるとなお少ないんですね。

わたしのブログを読んでアンテナに興味を持ってくれる人が増えてくれれば嬉しいのですが。
懐かしいです.
結合劣化対策もあるし、閉じ・開きとか全状態で両立させなきゃならないし、鉄板上利得、PAG、配置検討、自家中毒 etc... 今はもっともっと大変になってるんでしょうね.
でも、当時の知識は、EMC対策に姿を変えてすごく役立ってます.
Re: タイトルなし
子育てエンジニアさん、コメント有難うございます!

さすがですね^^
最近は特に人体の影響を軽減させることが大変です。スマホの代表的な形状であるストレート型の端末は、その筐体が小さいために、アンテナをどこに配置しようとも、実使用時に人体の手部や頭部に近接してしまいます。それと表裏一体で問題となるのが、人体への電波吸収量(SAR)ですね。テザリングを使用する場合は、端末が人体に密着することが想定されるので、このときのSARの規格値を満たすのがかなり厳しいですねー。

アンテナの設計は楽しいですが、私も子育てさんのように、RF回路やEMCが解るエンジニアになりたいものです。
SARですか.確かに持ち方も限られてきそうですしね.
いよいよケータイにもアダプティブアレー!?でしょうか.
Re: タイトルなし
MIMOになると複数のアンテナが搭載されるので、ダイバーシチや空間多重,そしてアダプティブアレーも可能になるかもしれません!このあたりの開発に携わってみたいので、まだまだアンテナ屋を続けていきたいですねー
初めまして
とても興味深い内容で思わずコメントさせて頂きました。
現在私は学部でリモートセンシング系の研究室に在籍しています。
人工衛星に搭載する円偏波用のアンテナの研究をしています。まだまだ素人なので分からないことばかりなのですがHFSSを用いるアンテナ設計の楽しさとアンテナの奥深さを感じています。今後も研究したいと思い、現在は院試に向けて勉強しております。
これからもブログを拝見させて頂きたいと思います。
よろしくお願い致します。
>Kawaiさん
どうもはじめまして!コメントありがとうございます^^
リモートセンシングとは将来有望な分野ですね!楽しそうです!
アンテナについては私もまだまだですが、一緒に勉強していきましょう。よろしくお願いします^^

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

  Template Designed by めもらんだむ RSS

special thanks: Sky Ruins, web*citronDW99 : aqua_3cpl Customized Version】


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。